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カンボジアの基礎データ

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概要

正式名称: カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)
カンボジア語: ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា(発音:プレア・リアチアナーチャック・カンプチア)
政体: 立憲君主制(国王を元首とする)
国家元首: ノロドム・シハモニ国王(2004年10月即位)
首都: プノンペン(Phnom Penh)
首相: フン・マネット首相(Hun Manet、2023年8月就任)
(※前首相はフン・セン氏で、約38年の長期政権を率いた)
公用語: クメール語(カンボジア語)
通貨: リエル(KHR)
都市部では米ドルも広く流通している


地理・気候

  • 位置
    • 東経:約102°~107°
    • 北緯:約10°~15°
    • 東はベトナム、北はラオス、北西はタイと国境を接し、南はタイ湾(シャム湾)に面する。
    • 国土中央部をメコン川が南北に貫流している。
  • 面積
    約18.1万平方キロメートル(日本のほぼ半分、タイの約3分の1程度)
  • 気候
    • 熱帯モンスーン気候に属し、雨季(5~10月)と乾季(11~4月)が明確。
    • 雨季でも一日中降り続くより、夕方中心のスコールが多い。
    • 年平均気温は27~28℃前後と高温多湿。

歴史的背景・政治

  • 歴史的経緯
    • 1953年にフランスから独立。
    • 内戦やクメール・ルージュ政権時代を経て、1993年に立憲君主制「カンボジア王国」が再建。
  • 政治体制
    • 立憲君主制かつ資本主義体制。
    • 国王が元首だが実権は首相が握り、議会は二院制(下院=国民議会、上院)。
    • 選挙により選ばれる下院が実質的に政治を動かし、首相を輩出。
    • 2023年8月よりフン・マネット首相が就任。
  • 司法
    • 三審制で、州・市裁判所→控訴裁判所→最高裁判所。
    • ほかに軍事裁判所も設置。
  • 軍事力
    • 陸・海・空の三軍で構成。
    • 志願兵役制を採用し、総兵力は約12万人規模とされる。

人口・社会

  • 人口
    • 約1,700万~1,720万人(2023年推定)
    • 首都プノンペンの人口は200万人超とされる。
    • 若年層が多く、30歳未満が国民の半数以上を占めるという統計もある。
  • 民族構成
    • 約90%以上がクメール人。
    • ベトナム系、華人、チャム族、山岳少数民族なども居住。
  • 宗教
    • 国教は上座部仏教。国民の約95%以上が仏教徒。
    • 少数ながらイスラム教、キリスト教信者も存在。
  • 言語
    • 公用語はクメール語。
    • 都市部では英語や中国語、フランス語も通じることがある。
  • 教育
    • 6-3-3の12年教育制度。
    • 一般大学は4年制で、大学院は2年制が多い。
    • 義務教育の普及率は上昇しているが、地方では就学率や識字率に地域格差が残る。
  • 平均寿命・医療
    • 平均寿命は男女合わせて70歳台前半(WHO推定、2020年代)。
    • 医療水準は年々向上しているが、都市と地方の格差が課題。

経済

  • GDP・経済成長
    • 2022年時点の名目GDPは約280~300億USドル程度(推計値)。
    • 1人あたりGDPは1,700~1,900USドル前後とされる。
    • 近年は年平均5~7%前後の比較的高い成長率を維持しており、特に都市部では急速な開発が進行。
  • 主要産業
    • 繊維・縫製産業(輸出産業の柱)
    • 農業(米、ゴム、カシューナッツなど)
    • 観光業(アンコール・ワットを中心とする遺跡群観光)
    • 建設・不動産開発(都市部での投資拡大)
  • 貿易相手国
    • 輸出先:アメリカ、EU各国、中国、カナダ、イギリスなど
    • 輸入元:中国、タイ、ベトナム、シンガポールなど
    • 衣類・履物などの繊維製品が主要輸出品目。
    • 消費財や機械設備、原材料などを主に輸入。
  • 通貨事情
    • 公式通貨はリエル(KHR)だが、米ドル(USD)との併用が一般的。都市部の店舗やATMではドル利用が多い。

豆知識・その他

  • 時差
    • 日本との時差はマイナス2時間(カンボジアが2時間遅れ)。サマータイムはなし。
    • タイやベトナムなど他の東南アジア諸国の多くも同じUTC+7。
  • 国旗の由来
    • 上下の青色は王室、中央の赤は国民を表し、中央部に白で描かれたアンコール・ワットは仏教と民族文化の象徴。
    • 1993年の立憲君主制再建とともに現在のデザインが採用。
  • 観光
    • 世界遺産アンコール・ワットは年間数百万人の観光客が訪れる。
    • 首都プノンペンには王宮や国立博物館など、フランス植民地期の建築物も残る。
  • インフラ
    • 近年、中国・韓国・日本などからの投資により道路や建物の建設が進む。
    • 地方では交通網や上下水道など社会基盤がまだ十分でない地域も多い。

参考・補足

  • 人口や経済指標は年度や統計機関によりばらつきがあるため、上記は概算値・推計値となります。
  • 政治・行政情報は直近(2023年)の首相交代や選挙結果などを踏まえたものです。
  • 最新の詳細については在カンボジア日本国大使館やカンボジア政府各省庁の公式情報等もご確認ください。

カンボジアは「貧しい国」というイメージから脱却しつつあり、首都プノンペンをはじめとする都市部では外資の流入や観光開発が目覚ましく進んでいます。一方で農村部との格差やインフラ未整備といった課題も多く、今後の持続的な発展に向けて社会基盤や教育の整備が鍵となっています。これらの要素を踏まえつつ、観光・ビジネスともに注目が高まっている国と言えるでしょう。

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